ホームページ制作のプロと言えばやはり制作会社だろう。言ってみればHTMLのプロフェッショナルだ。どんなレイアウトでも凄まじいスピードでコーディングしてしまい、それを生業としているわけである。しかしながら、私が知る限りでは、ここ数年で激化したヤフーの内部ペナルティに対応できていない場合が非常に多いと感じる。この半年で10社以上の制作会社と係る機会があったが、見事に100%がペナルティ回避の考え方に驚いていた。決して、制作会社を中傷しているわけではなく、敬意を持っているからこそ、ヤフーペナルティーの悪夢をこれでもかと経験してきた事で得た情報を提供したいと思っているわけで、制作会社がペナルティ回避のリスクヘッジを兼ね備えたら最強だとも思っており、現況が非常にもったいないと感じている。SEOを生業とする者にとって、制作会社と接する機会というのは少なくなく、また、間接的な接触も含めると、プロが構築したサイトを対策するために分析する機会は多いはず。そんな中で、非常によく目にする制作会社に多いペナルティパターンをご紹介したい。
そもそも、CSSの機能として存在するからか、この記述単体ではペナルティになりにくい。例えばこの記述がhタグであったり、aタグが付されてたりする事で複合要因となり、ペナルティを受けるケースが多い。
よく見かけるのがグローバルナビゲーションを画像で配置し、ソースコード上はspanやstrong、em等を使ってテキストを記述し、非表示にするといった手法。これも、aタグや他のタグとの複合要因でペナルティを受けていると判断している。
実は、数年前から確認できている現象で、2年前は最も多かったペナルティ事例。altテキストでSEOスコアを獲得しようとする事で、全てのaltにキーワードを詰め込むといった内容。ちなみに、ここには高いSEOスコアはないと考えており、altを空にしてもまずランキングは変わらない。
title,h1,h2,h3...とほぼ同じ内容のテキストを記述するといった手法。検索エンジンは「言い換え」が大好きなので、同じ意味でも言い換えることが求められている。文頭の均一化には特に注意が必要。ちなみに、文尾は比較的安全であったものの、2009年4月8日のYST Indexs Update時に文尾が狙われた事例が多かった事を記憶している。つまり、キーワードを記述するにも、その位置のバリエーション、時にはキーワードそのものではなく代替語が求められていると理解している。
2008年前半はほとんど問題なかったのだが、後半のアップデートの度にこのタグのフィルタ適用範囲が拡大し、修正対応に追われたことを記憶している。ちなみに、「b」タグも同様に使いすぎるとペナルティを受ける場合があり、これらは単純にタグを外す事で比較的早くリカバリした事例が数多くある。
そもそも検索エンジンはaタグ抜きでは語れない。aタグ自体にSEOスコアがあり、アンカーテキストが最も良く狙われ、この事は今も変わらない。よく、1ページに100リンクまでなどと言われることがあるが、とんでもない。体力のないサイトなら20リンクでも簡単に吹っ飛ぶ。aタグの数を減らす事でリカバリを実現できるパターンは今もなお多いのである。
例えば、メニューに「東京校」「大阪校」「名古屋校」...といったように、同一のワードが反復される場合、そのワードを抜く事でリカバリする場合が多い。その直前に見出しがあるのだから、メニューに「校」は不要なのだろう。
上記で挙げた例はポピュラーなものではあるものの、上記全てを行ってもペナルティ判定を受けないサイトもある。これは、そのサイトの体力(ドメイン年齢、バックリンク、アクセス数等)によってペナルティ発動基準が異なるためだと推察される。よって、何が要因でペナルティ判定を受けたのかを特定する事が難しく、ペナルティサイトを膨大に集めて、単純に分析したとしても意味がないのである。
そもそも私自身、極力、内部のSEOスコアを獲得する事でランクアップを図る事に美学を抱いており、どうしても難易度の高いワードだけ、外部施策を検討する体質であった。これが、2008年頃だろうか。そこで、前職のときに、内部施策に依存したサービスを提供していた際に、幾度となく地獄を見た口である。依頼、ほぼ毎日、ペナルティリカバリの手法を研究するようになり、今では夢に出てくるといった異常振りなのである。そこで、私が定義した内容をまとめると、ペナルティには3種類あると考えている。
上記に挙げたペナルティ例は、「1」に相当すると考えている。また、私の分析では9月4日のYST Index Updateと9月14日の日本独自アルゴリズム刷新では、「2」に相当する内容のペナルティ発動事例があったと認識している。さらに、厄介なのが「3」。これは、幾度と無くトライしたのだが、結論として、ページを白紙にしても、画像のみにしても、テキスト1行にしてもリカバリしない。よって、「バグ」という表現を用いている。おそらくヤフーとしては、全てに同等のアルゴリズムを適用する必要はなく、一部に特例が出ても然るべきという考えがあるのではないかと推察している。この他にも深い深いペナルティ内容がたくさんあるのだが、それを公開するとギリギリのラインの内部対策を売りにする企業の業務に支障をきたす場合があったり、異なる持論をお持ちの方々から反論を受けそうなので、控えざるを得ないのだが、特定のタグとタグの組み合わせで起こる不可思議なペナルティパターンもいくつか確認している。また、ペナルティフィルタが最も敏感に反応するタイトルタグのキーワード位置変更だけでリカバリする例も実にたくさんある。
そもそも制作会社はHTMLをよく知っており、W3C準拠型を売りにしていたりする場合も多い。しかしながら、知っているからこそ、ソースがテクニカルになりがちで、W3Cに準拠はしているものの、肝心のヤフーペナルティに対するリスクヘッジが不足してしまうのではないだろうか。更に、そのような状況でありながらSEO対策を売りにしている場合も少なくなく、ユーザーからみると、業者の選定に戸惑うのも当然の事だろう。上記のペナルティ例はいわゆる「王道のスパム」に該当するものと考えており、少なくともこの項目はクリアしておいて欲しいと願う。実際のペナルティ被害は上記項目が要因となっている場合よりも、その他の場合の方が多く、上記項目はほんの一例に過ぎないのが現状である。本当に厄介なのは「新たに追加・強化されたペナルティ」であり、さらに頭を痛めるのが「バグに近しいもの」なのである。せっかくプロフェッショナルが制作した立派なサイトも、見られなければ意味が無いわけで、そこをクリアすると素晴らしい商品になるのではないかと日々思う。私もその昔は制作会社で働きたいと思ったこともあり、そんなわけで偉そうで申し訳ないのだが、今回はHTMLのプロたちに心からエールを送りたい。
※対策サイトがフルフラッシュの場合、たとえ外部施策に依存するにしても、戦意喪失する事があるのは私だけではないだろう(笑)
サクラサク株式会社 CTO 林